同じ講習や研修で仲良くなるタイミング
講習・研修は「同じテーマを学びに来た人」が集まる場所。近づき方の鍵は、同期（姿勢/視線/作業ペース）→観察→二択→余白。
学びを最優先に、短い一言と丁寧な提案で“また隣で学びたい”をつくろう。
実例
9:50、あなたは前から2列目の通路側に着席。隣の人も早めに資料を開いている。
まずは姿勢とページ送りを同期。講師の雑談に軽く微笑み、笑うタイミングを合わせる。
10:10の最初のワークで、配布ポストイットを差し出しながら一言「この色、書きやすいですよね」。
休憩で二択「コーヒーと水、どちら行きます？」→一緒に自販機へ。
戻り際に「さっきの問い、◯◯の例えが分かりやすかったですね」→共感で軽く深める。
終了後は「スライド2枚だけ写真共有しますね。明日の復習に使えそうで」→必要性から連絡交換。
次回は「開始10分前に席取り、手伝いましょうか？」で短時間＋実益の約束へ。
結論——同期→観察→二択→余白
講習の場では、相手は「学びモード」。まずは同期（姿勢・ページ送り・笑いのタイミング）で安心を作り、観察（メモの取り方・使うペン・質問の仕方）から話題の糸口を拾う。
声をかけるときは二択（「水かコーヒー？」、「前の席/今の席？」）。最後は予定を邪魔しない余白（「ここで切ります、またこの時間で」）で閉じる。
この4手が、勧誘感のない自然な関係作りになる。
前提とマナー——学び優先・不快ゼロ設計
- 講義中は話さない。メモで合図、会話は休憩か移動中のみ。
- 個人情報（社名/部署/フルネーム）を自分から探らない。
- 匂い・音を控える（香水/キーボード音/袋のガサ音）。
- 写真は許可と配慮。人物は映さず資料のみ。
- 宗教・政治・社内機密には触れない。講義テーマから外れない。
仕込み——席・持ち物・時間・“定点”
席
- 通路側/前から2〜3列目が会話に最適。帰りやすく声も届く。
- 同じ席を定点に。毎回の顔合わせが生まれる。
持ち物
- 予備ボールペン/ポストイット/小さなハサミ。貸しは提案しない（相手からのサイン待ち）。
- 資料用のクリップ（配布物の整頓を手伝える）。
時間
- 開始10分前に着席。呼吸を整え、周囲を観察する余裕を作る。
- 終了5分前に机上を片付け、“谷”（終講直後）に一言を置く準備。
開始〜10分——実況→共感→一問で軽く
実況「この会場、明るくて集中しやすいですね」
共感「資料、図が多くてありがたい」
一問「席、今のまま/前に寄る、どちらが見やすいです？」
三手で止めると、相手が話しやすい。
観察ポイント——資料/筆記/反応/小物
| 観察 | フック例 | 注意 |
|---|---|---|
| 資料への書き込み | 「色分け、真似していいです？」 | ノートを覗き込まない |
| 使うペン/ポストイット | 「その細さ、図がきれいに出ますね」 | 貸し借りを迫らない |
| 反応（うなずき/笑い） | 「今の例え、腑に落ちましたね」 | 講師の妨げにならない音量 |
| 小物（ボトル/タイマー） | 「そのタイマー、休憩に便利そう」 | ブランド名は言い当てない |
休憩の黄金タイミング——谷で置く二択
ベストは講義と講義の“谷”。
例：「コーヒー/水、どちら行きます？」、「自販機とコンビニ、近いのはどちらでしょう」。
戻る前に「先に戻ります/あと30秒ここ、どちらが楽です？」と時間の二択で締める。
グループワーク設計——自分主語で提案
- 役割は自分主語で。「自分、タイムキープやります。記録か発表、どちらがやりやすいです？」
- アイデア出しは否定しない。「まず出して、後でまとめます？」の二段構え。
- 終了時に成果を褒める→要点を一行で共有。「◯◯さんの例が分かりやすかった」。
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距離と並び方——対面/斜め/横・声量
対面は圧が出やすい。斜め（机の角を一つずらす）が無難。横は近すぎ注意。
声量は図書館の半分。合図は会釈と手元ジェスチャーで十分。
質問の使い方——講師→相手にブリッジ
講師への質問は短く/一問。回答後に隣へ「この部分、実務だと◯◯で使えそうですね」。
講師→あなた→隣の人へと話題を橋渡しすると、自然に会話が生まれる。
ケース別——1日講座/連続講座/社内/オンライン
1日講座
- 午前の休憩で軽い二択→午後の開始前にもう一回。
- 終了後は5分だけの寄り道（エントランスで一言感想）を提案。
連続講座
- 席と時間を固定。週1回は会釈のみで濃度調整。
- 3回目で必要性口実（資料写真/ノート構成）から連絡交換。
社内研修
- 社内規範が最優先。私語は業務関連の範囲で。
- 次回の実務で会う前提があるなら、交換は最小限に。
オンライン
- チャットは実況→共感→一問を1セットだけ。
- 終了後の資料共有リンクを口実に、10分だけの雑談ルームを二択で。
連絡と次の約束——必要性→最小交換→短時間
「さっきのスライド2枚、写真で送ります」→必要性から交換。
「LINE/メール、どちらが楽です？」→最小交換。
「次回の開始10分前に席取り手伝います/休憩に水だけ買いに行きます、どちらが楽？」→短時間二択で“また”を固める。
NGとリカバリー——独占/私語/営業色
- 休憩のたびに捕まえない。1回/コマが目安。
- 講義と無関係な長話・連絡先の強要はNG。
- 営業/勧誘は絶対に出さない。ミスったら「業務の話が過ぎました、すみません」で一行リセット。
そのまま使えるフレーズ集
- 「この図、腑に落ちましたね」
- 「ページ、ここで合ってます？」
- 「コーヒー/水、どちら行きます？」
- 「さっきの例え、実務だとどこで使えそうです？」
- 「ここで切ります。次のコマもよろしくです」
1〜3週間のロードマップ
Week 1
- 席と時間を固定、会釈＋実況一言を各1回。
- 休憩で二択を1回（飲み物/席）にとどめる。
Week 2
- グループワークで役割を自分主語提案。
- 終講の“谷”で一言感想＋次回の短時間二択。
Week 3
- 資料写真の共有を口実に連絡交換。
- 開始前10分/終了後5分の短時間寄り道をセット。
まとめ——“一緒に学ぶと楽”を残す
同期→観察→二択→余白の4手で、学びの邪魔をせずに距離を縮める。
短く、静かに、実益を添えて。“一緒に学ぶと楽”の記憶が次の会話を連れてくる。
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